日本の鉄道技術で建設が進むホーチミン市都市鉄道1号線
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2020年に完成予定のホーチミン市都市鉄道1号線は、ベトナム最大の都市ホーチミン市の中心部と郊外を結ぶ、全長19.7kmの大量高速輸送鉄道(Mass Rapid Transit :MRT)路線です。本鉄道1号線は、都市化により年々悪化する交通渋滞と大気汚染の緩和に応える切り札として期待されており、日本工営はコンサルティング業務により、このプロジェクトをサポートしています。
日本工営が中心となりベトナム初のMRTに挑む
2008年、日本工営が共同企業体(JV)のリーダーとして受注したホーチミン市都市鉄道1号線は、日本の円借款によって設計・施工されている大型の鉄道建設案件です。2020年の完成に向け現在建設が進められており、ベトナム最大の都市ホーチミン市の中心部にあるベンタインから、観光名所として名高いオペラハウスを経て、市の北東部に位置するスオイティエンに至る総延長19.7kmのベトナム初となるMRT路線です。市の中心部の2.2kmは地下区間、残る17.5kmは高架区間となる計画で、急速な人口増加によって深刻化する交通渋滞と大気汚染の緩和に応える切り札として期待されています。日本工営は、国内企業5社、現地企業2社からなる共同企業体のリーダーとして、プロジェクト全体のコンサルティング業務でこの事業に関わっています。
鉄道を起爆剤に沿線エリアの発展に期待がかかる
この事業では、ホーチミン市に建つ歴史的建造物を地盤沈下から守るため、日本が得意とするシールド工法によるトンネル開削や、乗り心地の良さに優れた鉄道車両、正確な運行に欠かせない鉄道運行システムなど、日本が世界に誇るさまざまな技術が投入されており、まさに「オールジャパン」体制で取り組んでいるプロジェクトです。鉄道の建設には、土木、電気・通信、ITに加え、運転士や駅員の育成、保守管理など、多岐にわたる専門性を必要とします。さらに鉄道完成後の、駅前や地下街、沿線の商業・宅地開発、路線の延伸や新路線との接続といった、街づくりや都市計画とも密接に関わるため、プロジェクトをリードする日本工営には、高い専門性と長期的な展望、そして大きな責任が課せられているのです。現在、ホーチミン市の人口は約800万人。さらにその周辺も含めると2000万人にのぼる人々が住むこのエリアでは、すでに鉄道1号線を含め8路線の新設計画が進行中です。本鉄道1号線は経済成長が著しいベトナム国民のライフスタイルを変える新たな一歩として、その役割が期待されています。
日本が150年にわたって培ってきた鉄道技術を世界へ
現在、日本は成長戦略の一環として新興国へのインフラ輸出に力を入れています。成長著しい諸外国へのインフラ支援のなかで、とくに重要な位置を占めているのが、MRTに代表される都市公共交通網の整備です。日本工営鉄道事業部は、2001年の創設以来、世界人口の6割が集中するアジア諸国を中心に、さまざまな鉄道計画・建設プロジェクトで実績を積み重ね、今日では海外事業における主要分野を担うまでに成長してきました。今後も、アジアのみならず中南米やアフリカなど、わたしたちを必要とするさまざまな国々に日本が150年にわたって培ってきた鉄道技術を提供することで、国際貢献への責務を果たしていく考えです。国柄や気候風土、経済発展の度合いは、各国で異なります。それぞれの国情に合わせた鉄道システムを提供することが、いま求められているのです。
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