バングラデシュ初の都市高速鉄道開通に貢献

日本工営が事業に参画しているバングラデシュ国ダッカ都市高速鉄道(MRT: Mass Rapid Transit6号線)の16駅・20km(当初スコープ区間)が2023年11月4日に開業しました。

ウットラノース駅を出発する列車(MRT6号線)

世界でも有数の人口稠密地帯であるダッカ首都圏は、これまで都市内交通としての軌道系交通が無く交通需要は道路交通に集中していました。その結果、交通渋滞および排出ガスによる環境汚染が深刻な社会課題となっています。ダッカMRT6号線は、これらの社会課題を解決する最優先路線として位置づけられ、バングラデシュ初の本格都市高速鉄道として2014年から整備が開始されました。
同プロジェクトでは多くの日本企業が関与し、日本工営としてはバングラデシュで最初に手掛けたMRT事業です。日本工営は整備開始の2014年から同路線の事業全体(土木・建築・電気・軌道・信号・通信、車両)を対象に、基本計画、設計、入札支援、運営組織設計、工事中の施工監理、開業前トレーニングまでのコンサルタント業務を行ってきました。

同路線は2022年12月末にウットラ北駅からアガルガオン駅の9駅を結ぶ11.7kmの区間が開業し、毎日10万人近くの乗客が利用しています。2023年11月にアガルガオン駅からモティジール駅までの7駅・9km区間が開業し、当初スコープで定めていた区間全てが開通しました。これにより、車で2時間以上を要する移動が約35分に短縮されています。 開業を記念し、2023年11月4日に首都ダッカで開業式典が行われました。

また、同路線は更なる利便性の向上を目指し、モティジール駅から1駅延伸しバングラデシュ国鉄中央駅(カマルプール駅)に接続させることが2019年に決定し、現在建設中です。カマルプール駅への延伸は2025年中を見込んでいます。
日本工営は、バングラデシュをはじめとするアジア各都市で鉄道建設プロジェクトを推進しています。今後とも総合建設コンサルタントの強みを活かし、持続可能な社会の実現に一層貢献していきます。

国旗にちなんだ緑と赤色を施した車両
プロジェクト担当者と施主運行スタッフ
アガルガオン駅舎
ウットラセンター駅のホーム
車両内の様子
車両基地に並ぶ車両編成
開業に携わった運行指令メンバー

担当者コメント

駅位置決定などの計画業務に始まり、詳細設計、入札、施工監理、運営維持管理組織設立、トレーニング、試験走行、運行開始と、10年に亘るフルスケールの大きな案件でした。途中2016年7月の外国人を狙ったテロと2020年の新型コロナウイルスの流行による二度の危機を乗り越え、開業に至りました。ダッカ市民は、日本の援助でMRTが走ることに心から歓喜しており、我々関係者が業務で乗車中に、見知らぬ乗客から呼び止められ、「ありがとう」と直接伝えられた事が何度もありました。労いの言葉に聞こえ長年の苦労が報われた様な瞬間でした。開業当初はそのような万感の思いに浸っていましたが、過密都市に走る大量輸送システムとしての役割は重く、今後も運営・維持管理支援を行いながら、安心・安全を担保し続けることが、さらに重要であることに思いを新たにしています。

  1. ホーム
  2. プロジェクト紹介
  3. 「タイの駐車場の新しい形」、ビッグデータでスマートシティにおける駐車場を推進
ページトップへ戻る